【総まとめ】イギリスのボーディングスクール留学で知っておきたい試験のすべて
2026.10.16
各種入学試験からGCSE、Aレベル、国際バカロレア・ディプロマ・プログラム(IBDP)など日本人でもお馴染みのものまで、イギリスのボーディングスクールへの留学を検討し始めると、日本とは異なるさまざまな試験や資格の名前を目にすることになります。これらの試験、皆さんはいくつご存じでしょうか?
✅ISEB プリテスト
✅ISEB コモン・エントランス
✅CAT4
✅Oxford Placement Test(OPT)
✅UKiset
✅IELTS
イギリスで利用されている試験の種類は多く、どの試験が、何のために、いつ必要なのか……戸惑う保護者も少なくありません。そこで今回は、知っておくべきイギリスの試験について総まとめします。
まず理解しておきたいのは、これらの試験はすべて同じ目的で実施されるわけではないということです。大きく次の3つに分けると、全体像を把握しやすくなります。
① ボーディングスクールへの入学選考に使われる試験
主に11歳(11+)や13歳(13+)での入学に向けて用いられるのが ISEB プリテスト や ISEB コモン・エントランスです。ISEBプリテストは主にYear 6・Year 7で受験する事前選考で、コモンエントランスは主にYear 8で受ける13+の入学試験として知られています。また、13歳以上では、学校独自の試験や英作文に加え、留学生を対象としたUKisetを利用する学校や認知能力を測るCAT4を併用する学校もあります。
② 学力や英語力を確認するための試験
CAT4は言語的・数量的・非言語的・空間的な推理能力を評価し、Oxford Placement Test(OPT)は英語力を測る試験です。またYear 12での入学では、IELTSでのスコアも英語の能力を知るひとつの目安です。留学生の場合は、実際に英語で行われる授業を理解できるかを確認する必要があるため、複数の試験を組み合わせ、慎重に判断する学校もあります。
③ 入学後に履修する資格課程とその試験
GCSEは主にYear 10・Year 11(14〜16歳)の中等教育段階で履修する資格です。その後のシックスフォーム(Year 12・Year 13)では、AレベルやIBDPなど大学進学につながる資格を目指します。
このように必要な試験は、お子さまの年齢、入学を希望する学年、志望校、将来の進路によって異なります。以下では主な試験・資格の特徴を解説します。
① ボーディングスクールへの入学選考に使われる試験
ISEBプリテスト
ISEB プリテストは、イギリスの多くの私立校・ボーディングスクールが、主に11歳(11+)や13歳(13+)での入学選考に採用しているオンライン試験です。ISEBという団体が提供しています。
最大の特徴は、一度の受験結果を複数の志望校で共有できることです。主にYear 6またはYear 7で受験し、英語、算数、言語推理(Verbal Reasoning)、非言語推理(Non-Verbal Reasoning)の4分野を約2時間15分かけて評価します。試験は、受験者の解答状況に応じて問題の難易度が変わるアダプティブ(適応型)形式で行われます。単なる知識だけでなく、読解力や論理的思考力などを測ることが目的です。
日本からの受験も可能ですが、ISEBに受験者情報を登録し、受験会場の手配や出願校との情報共有をする必要があります。
ISEBプリテストをさらに詳しく
ISEB コモン・エントランス
ISEB コモン・エントランスは、イギリスの私立学校で長年用いられてきた、代表的な入学試験の一つです。主に13歳(13+)での入学に関連する試験で、シニアスクールに進学する直前の5月頃に受験し、それまでに学校で学んできた内容について理解度を測ります。受験する学校や学んできた科目によって試験科目は異なりますが、英語、数学、理科のほか、歴史、地理、外国語などが含まれる場合もあります。
すべてのボーディングスクールがコモンエントランスを採用しているわけではなく、ウィンチェスター・カレッジのように、入学前の学力診断のために学校独自の入学試験を実施しているところも多くあります。一方でこのテストで一定の点数を取得することを、シニアスクール入学の条件としている学校もあります。その点数に関しては学校によって基準が異なりますので、確認が必要です。

UKiset(ユーキーセット or ユーケーアイセット)
UKisetは、イギリスの私立学校への入学を希望する留学生向けに開発された試験です。主に9〜18歳の生徒を対象とし、英語、数学、語彙、非言語的推理などの能力を評価します。所定の受験条件に従い、日本から受験することも可能です。
UKisetは、英語を母語としない留学生の学力や英語力、学習適性を学校が把握するために利用されます。ただし、海外からイギリスの学校へ出願するすべての留学生に義務づけられている試験ではありません。志望校が求める試験を確認することが大切です。
学校独自の入学試験(Bespoke Assessment)
イギリスのボーディングスクールでは、これまで紹介した標準化された試験だけでなく、学校独自の入学試験(Bespoke Assessment)を実施しているところも多くあります。
英語、数学、推理力を測る問題を組み合わせた試験や、学校のカリキュラム、教育方針に合わせた問題が出題される場合もあります。面接や作文などを通じて、お子さまの学習意欲や考える力を評価する学校もあります。学校独自の試験では、一般的な試験対策だけでは十分でない場合もあります。事前にどのような内容や形式の試験が行われるのかを理解しておくことで、お子さまも安心して試験に臨むことができます。
ピッパズ・ガーディアンズのスクール・アドバイス・サービスでは、学校独自の試験を受けるお子さまには、必ず事前に試験内容をご説明し、過去問が公表されている学校の場合は、それらを取り寄せご家族に共有しています。
② 認知能力や英語力を確認するための試験
CAT4 | Cognitive Abilities Test 4th Edition(キャットフォー)
CAT4はGL Assessment社が開発した子どもの認知能力や思考力を評価する試験です。次の四つの領域から、受験者の能力や得意分野を把握します。
*
- Verbal Reasoning(言語的推理):言葉を使って考え、関係性を理解する力
- Quantitative Reasoning(数量的推理):数字や数量の関係性を理解し、論理的に考える力
- Non-verbal Reasoning(非言語的推理):図形やパターンから規則性を見つけ、推理する力
- Spatial Reasoning(空間的推理):図形や立体の形、位置関係などを理解する力
*
CAT4は、イギリスの学校で学ぶカリキュラムの知識を問う試験ではない点に注意が必要です。単純に合格・不合格を決めるのだけではなく、子どもの学習面での強みや能力の特徴を把握する目的でも使用されます。


OPT | Oxford Placement Test (オーピーティ)
Oxford Placement Test(OPT)は、英語力を評価するための試験です。文法、語彙、リスニングなどを通じて、受験者が現在どの程度の英語力を身につけているかを測ります。学校側にとっては、お子さまが英語で行われる授業を理解し、無理なく学習を進められるかどうかを判断するための材料となります。
学校によってはCAT4とOPTを組み合わせることで、学習能力と英語力の両面から、お子さまの適性をより総合的に把握する場合もあります。これらの試験は通常、出願先の学校が受験の手配を行います。
IELTS(アイエルツ)
IELTS(International English Language Testing System)は、英語を母語としない人を対象に、英語の運用能力を測定する国際的な試験です。「リスニング」「リーディング」「ライティング」「スピーキング」の4技能で構成され、成績は0〜9.0のバンドスコアで評価されます。英国のボーディングスクールでは、入学選考の際に英語力を確認するため、IELTSのスコアを参考にする学校もあります。特にシックスフォーム(Year 12・13)への入学を希望する場合は、AレベルやIBDPの授業についていける十分な英語力があるかどうかの証明となります。英検級との比較は簡単にはできませんが、文科省が作成している比較表も参考にしてください。
③ 入学後に履修する資格課程とその試験
GCSE | General Certificate of Secondary Education(ジーシーエスイー)
GCSEは、イギリスの中等教育修了時に取得する資格で、主に14〜16歳の生徒がYear 10・Year 11の2年間で履修します。コモンエントランスや CAT4 などとは異なり、GCSEはボーディングスクールに入学するための試験ではなく、それまでの学習成果を評価し、その後のシックスフォームでの学習につなげるための資格試験です。
英語、数学、理科などの必修科目に加え、歴史、地理、外国語、美術などから科目を選択し、一般的には8〜10科目程度を履修します。
詳しくは別記事「英国留学で必ず知っておきたい GCSEの基本と注意点」をご覧ください。
GCSEをさらに詳しく
A Level | Advanced Level(エーレベル)
Aレベルは、イギリスの大学進学に向けた資格で、主に16〜18歳の生徒がシックスフォームの2年間で履修します。Aレベルは大学進学に必要な学力を身につけ、その成果を評価するための資格です。
通常は3科目、多い場合は4科目を選択し、2年間かけて専門的に学びます。大学や学部によって出願に必要な科目や成績が異なるため、将来の進路を見据えた科目選びが重要になります。日本からシックスフォーmへの留学を希望する場合には、英語力やこれまでの学業成績に加え、希望するAレベル科目を履修できるだけの基礎学力があるかどうかも確認されます。学校によっては科目別の入学試験や面接が行われることもあります。
詳しくは別記事「Aレベルとは? 英国で学ぶ大学進学資格を徹底解説」をご覧ください。
Aレベルについてもっと詳しく
IBDP(国際バカロレア・ディプロマ・プログラム)
IBDP(International Baccalaureate Diploma Programme)は、世界各国の大学で入学資格として認められている教育プログラムで、主に16〜19歳の生徒が2年間で履修します。IBDPは大学進学に必要な幅広い知識や思考力を身につけ、その成果を評価するための資格です。Aレベルでは通常3〜4科目を専門的に学ぶのに対し、IBDPでは言語、数学、理科、社会、芸術など6つの科目グループから6科目を履修します。さらにTOK(知の理論)、EE(課題論文)、CAS(創造性・活動・奉仕)に取り組み、批判的思考力や探究心、主体性を養います。
日本からIBDPを提供するシックスフォームへの留学を希望する場合には、英語力やこれまでの学業成績に加え、幅広い科目を英語で学ぶための基礎学力が求められます。学校によっては入学試験や面接が実施されることもあります。IBDPとAレベルは、どちらも大学進学につながる資格ですが、学習方法や科目選択の仕組みが大きく異なります。お子さまの得意分野や学習スタイル、将来の進路に合わせて選ぶことが重要です。
詳しくは別記事「Aレベル vs IBDP 徹底比較」をご覧ください。
AレベルとIBDPの違いをもっと知る
【まとめ】試験・資格の種類と受験時期の一覧
| 試験・資格 | 主な学年・年齢 | 目的 |
| ISEB プリテスト | Year 6〜7(10〜12歳頃) | 11+・13+入学の事前選考 |
| ISEB コモンエントランス | Year 8(12〜13歳) | 13+などの入学選考 |
| CAT4 | 幅広い学年 | 認知能力・学習適性の評価 |
| Oxford Placement Test | 幅広い学年 | 英語力の評価 |
| UKiset | 9〜18歳 | 留学生向けの入学選考 |
| 学校独自の試験 | 入学希望学年による | 学校ごとの入学選考 |
| GCSE | Year 10〜11(14〜16歳) | 中等教育段階の資格 |
| Aレベル | Year 12〜13(16〜18歳) | 大学進学資格 |
| IBDP | 16〜18歳 | 大学進学資格 |
※ 年齢は目安です。受験時期、受験条件、対象学年は学校や出願年度によって異なります。
ピッパズ・ガーディアンズのスクール・アドバイス・サービスでは、ご家庭ごとの希望やお子さまの状況に合わせた学校選びから、入学試験の確認、出願手続き、留学準備までをサポートしています。どの試験を受ける必要があるのかを正しく理解し、十分な時間をかけて準備できるように、お子さまの試験のタイミングなども学校と調整をしています。ご興味ある方は、まずは無料相談をご利用ください。
