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Aレベル vs IBDP 徹底比較 イギリスのボーディングスクール選びで知っておきたい違いとは?

2026.09.08

BBSFJ基本情報

イギリスのボーディングスクールを選ぶとき、学校の立地や校風、寮生活、GCSEの成績などと並んで、重要なポイントになること。それが、シックスフォーム(Year 12・13)ではどちらのカリキュラムを学ぶのかということです。

 

イギリスの大学進学資格として最も一般的なのがAレベル。ただし、イギリスのボーディングスクールの中には、Aレベルに加えて国際バカロレアのディプロマプログラム、IBDP (International Baccalaureate Diploma Programme | 国際バカロレア・ディプロマ・プログラム)も採用し、生徒がAレベルとIBDPのいずれかを選択できる学校も増えています。

 

どちらも主に16歳以降に学ぶ2年間のカリキュラムです。そのため、「Year 11になってから考えればいい」と思われるかもしれません。しかし、イギリスへYear 9やYear 10から留学する場合、シックスフォームのカリキュラムはAレベルなのかIBDPなのか、を知っておくことが大切です。

 

では、AレベルとIBDPでは何が違うのでしょうか?

この記事では、AレベルとIBDPの学び方、科目選択、評価方法、大学進学との関係など、特に知っておきたい違いを詳しく比較します。そして、それぞれどのような生徒に向いているのか、そして2026年10月に開催されるブリティッシュ・ボーディングスクール・フェア参加校が、シックスフォームでAレベルとIBDPのどちらを提供しているのかもご紹介します。

 

@Malvern College

 


AレベルとIBDP、その違いとは?

 

AレベルとIBDPは、どちらもイギリスの高校課程となるシックスフォームの2年間で学ぶ大学入学のための資格で、イギリスをはじめ世界各国の大学への進学につながるパスポートのようなものです。しかし、教育の考え方から科目数、評価方法まで、その仕組みは大きく異なります。ここからは、特に知っておきたい6つの違いを見ていきましょう。

 

違い① 必修科目(コア科目)の有無|IBDPにはTOK・EE・CASがある

AレベルとIBDPを比較するとき、まず知っておきたい大きな違いが、すべての生徒に共通する「必修科目(コア科目|Core Subject)」があるか、ないかです。

Aレベルでは生徒は通常3〜4科目を選択し、その科目を専門的に学びます。一方、IBDPでは6科目の学習に加えて、すべての生徒が TOK(Theory of Knowledge | 知の理論)、EE(Extended Essay | 課題論文)、CAS(Creativity, Activity, Service)という3つの必修科目に取り組みます。この違いは、AレベルとIBDPの教育の考え方そのものをよく表しています。

 

 

TOK(Theory of Knowledge | 知の理論)では「私たちは何を根拠に、それを知っていると言えるのか」といった問いを通して、知識そのものについて考えます。単に正しい答えを覚えるのではなく、情報を批判的に検討し、自分の考えを組み立てる力を養います。

 

EE(Extended Essay | 課題論文)では生徒自身がテーマを設定し、最大4,000語のリサーチ・エッセイを完成させます。大学レベルに近いテーマを選び、資料を調べ、論点を組み立て、一つの論文としてまとめるという、大学での学びにつながる研究プロセスを経験します。

 

CAS(Creativity, Activity, Service  | 創造性・活動・奉仕)では、創造的活動、運動、社会奉仕など、教室の中だけでは完結しない活動に継続して取り組みます。

 

 

つまりIBDPでは、「何を学んだか」だけではなく、「どう考えるか」「どう探究するか」「学んだことを社会や行動にどうつなげるか」までがカリキュラムの中に組み込まれているのです。一方、Aレベルには、すべての生徒に共通して課されるTOK・EE・CASに相当するコア科目はありません。その分、生徒は自分が選択した科目そのものに多くの時間を使い、より専門的に学びを深めていくことができます。

 

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違い② 科目数と科目選択|3〜4科目 vs 6科目

AレベルとIBDPでは、履修する科目数と科目選択の仕組みも大きく異なります。

Aレベルでは通常3科目、場合によっては4科目を選択します。基本的には、生徒自身の得意分野や大学進学に必要な科目を中心に組み合わせることができます。一方、IBDPでは6科目を履修し、通常はそのうち3科目をHigher Level(HL)、3科目をStandard Level(SL)として学びます。

IBDPでは原則として、言語、第二言語、人文・社会科学、自然科学、数学、芸術という科目群をベースに選択するため、Aレベルのように特定分野だけに大きく絞り込むことはできません。つまり、「必要な科目、得意な科目に集中できるAレベル」と「一定の幅広さを保ちながら学ぶIBDP」という違いがあります。

 

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違い③ 学びの「深さ」と「幅広さ」|Depth vs Breadth

AレベルとIBDPの違いを理解するうえで、まず押さえておきたいのが、「Depth(深さ)」と「Breadth(幅広さ)」です。大きな違いをひと言で表すなら、Aレベルは「少数の科目を深く学ぶ」、IBDPは「幅広い分野を学ぶ」カリキュラムです。

 

Aレベルは「Depth」——少数科目を深く学ぶ

Aレベルは、イギリスで大学進学を目指す生徒がシックスフォームで学ぶ代表的な資格です。通常は3科目を選び、2年間かけて専門的に学びます。学校や生徒によっては4科目を履修する場合もあります。最大の特徴は、16歳という比較的早い段階から専門分野を絞り込むことです。

 

例えば工学部を志望する生徒なら数学、Further Mathematics、物理、医学部なら化学、生物、数学といったように、大学で学びたい分野を意識して科目を組み合わせることができます。反対に、大学進学に必要のない科目は基本的に履修する必要がありません。

 

数学や物理は非常に得意だけれど語学は苦手。あるいは文学や歴史には抜群の力を発揮するけれど理系科目は得意ではない。そうした生徒でも、自分の強みに時間とエネルギーを集中させることができます。科目数が少ないから簡単なのではありません。少数の科目を、大学での専門的な学びにつながるレベルまで深く掘り下げるのがAレベルです。

 

IBDPは「Breadth」——幅広い分野を学び続ける

一方、IBDPでは早い段階で専門分野に絞り込むのではなく、大学進学直前まで、言語、人文・社会科学、自然科学、数学など幅広い分野を学び続けます。「理系だから人文学はもう勉強しない」「文系だから数学は必要ない」という考え方ではなく、異なる分野を横断しながら物事を考える視点を育てることもIBDPの特徴です。

数学も好きだけれど歴史や文学も捨てたくない。16歳の段階では専門分野を一つに絞りたくない。そんな生徒にとって、IBDPのBreadthは大きな魅力になるでしょう。

 

@Cheltenham Ladies College

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違い④ 評価方法|最終試験中心 vs 2年間を通した評価

 

成績の決まり方にも違いがあります。Aレベルでは多くの科目で、2年間の最後に行われる外部試験が成績を大きく左右します。科目によってコースワークや実技評価などが含まれるため一概には言えませんが、最終試験の比重が大きいことが特徴です。

 

一方、IBDPでは最終試験だけでなく、Internal Assessment(IA | 校内評価)なども評価に含まれます。IAの形式は科目によって、エッセイ、実験レポート、口頭試験など、その形式もさまざまですが、試験範囲は高校で学ぶカリキュラムの範囲内となり、在籍校の先生が評価します。そのためIBDPでは2年間を通じて複数の課題と締切を管理しながら、継続的に成果を積み重ねていく必要があります

 

一般的にIBDPではIAやEEなどを通して2年間にわたり評価につながる課題に取り組む一方、Aレベルではプレッシャーが最終試験に集中しやすい、と言われています。

 

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違い⑤ 求められる学習スタイル|難易度は比較不可

 

「IBDPは6科目も勉強するから、Aレベルより難しいのでしょうか?」よく聞かれる質問ですが、単純に難易度を比較することはできません。確かにIBDPでは6科目に加えてTOK、EE、CASがあり、IAなども並行して進みます。そのため、複数の課題と締切を自分で管理するタイムマネジメント能力が非常に重要になります。しかし、それを理由に「IBDPは難しく、Aレベルは簡単」と考えるのは正確ではありません。

 

Aレベルでは履修科目が少ない代わりに、一つひとつの科目を非常に深く理解し、トップグレードの「A*」を取得するためには高い学力が要求されます。また、多くの科目では重要な最終試験で実力を発揮しなければなりません。つまり、どちらが難しいかではなく、「難しさの種類」が違うと考えるのが適切です。

 

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違い⑥ 大学進学|大学はどちらを高く評価する?

 

AレベルとIBDPは、どちらも世界の主要大学で認められている大学進学資格です。「IBDPを選んだほうがトップ大学に入りやすい」「Aレベルはイギリス以外の大学では不利」といったように、一概にどちらが有利とは言えません。重要なのは、志望する大学・学部の入学条件(Entry Requirements)から逆算することです。

 

例えば英国大学では、Aレベルなら「A*AA」「AAA」などの条件に加えて、学部によって特定科目を要求されることがあります。IBDPでも同様です。総合点だけでなく、Higher Levelでどの科目を履修し、何点を取得するかが指定される場合があります。特にMedicine、Engineering、Computer Science、Economicsなどでは、どの科目をどのレベルで履修するかが大学出願に大きく関係します。つまり、資格の「格」を比較するのではなく、その先の大学・専攻から逆算して考えることが重要なのです。

 

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Aレベル vs IBDP|6つの違いを一覧で比較

 

比較項目 Aレベル IBDP
必修科目の考え方 共通の必修科目なし。得意分野や進路に合わせて科目を選択 数学・言語など幅広い領域を履修。さらにTOK・EE・CASがCore と呼ばれる必修科目
科目数と科目選択 通常3〜4科目。比較的自由に組み合わせられる 6科目。通常HL 3科目+SL 3科目
学びの深さと幅広さ Depth:少数科目を専門的に深く学ぶ Breadth:文理をまたいで幅広く学ぶ
評価方法 多くの科目で最終試験の比重が大きい 最終試験+Internal Assessment(IA)など
求められる学習スタイル 少数科目を深く追究し、試験で実力を発揮する力が重要 複数科目・課題を並行して進める自己管理力が重要
大学進学 英国をはじめ世界各国の大学で認められる。学部によって指定科目あり 英国をはじめ世界各国の大学で認められる。学部によって指定科目あり
⑦ 成績評価 A*〜E 6科目各1〜7点+Core科目が最大3点、45点満点

 


では、どちらを選ぶ? 生徒との相性から考える

 

ここまで見てきたように、AレベルとIBDPにはそれぞれ異なる特徴があります。では、実際にはどのような生徒に向いているのでしょうか。大切なのは、「成績が良いからIBDP」「理系だからAレベル」といった単純な分け方をしないことです。現在の学力だけでなく、得意・不得意の幅、興味の方向性、学習スタイル、自己管理能力、将来の専攻などを総合的に考える必要があります。

Aレベルに向いている生徒

  • 得意科目や好きな分野がはっきりしている
  • 一つの分野を深く掘り下げることが好き
  • 大学で学びたい専攻がある程度決まっている
  • 得意科目と不得意科目の差が比較的大きい
  • 少数の科目に集中したほうが力を発揮できる
  • 試験という明確なゴールに向かって勉強することが得意

 

例えば数学と物理が大好きでEngineeringを学びたい、ChemistryとBiologyが得意でMedicineを目指したいなど、将来の方向性が比較的明確な生徒にとって、Aレベルの専門性は大きなメリットです。

 

Aレベルが向いていない可能性がある生徒

一方、16歳の段階で興味のある分野を3〜4科目まで絞ることが難しい生徒には、Aレベルの早期専門化が窮屈に感じられる可能性があります。例えば、数学も歴史も文学も科学も好きで、「まだ大学で何を専攻するか決めたくない」という生徒です。

また、最終試験で力を発揮することが極端に苦手な場合も、試験の比重が大きいAレベルについては慎重に考えたいところです。Aレベルの「専門性」は大きな強みですが、16歳である程度の方向性を決めることの裏返しでもあります。

 

 

IBDPに向いている生徒

一般的には、次のような生徒はIBDPとの相性が良いと考えられます。

  • 幅広い科目に興味がある
  • 文系・理系を問わず複数の科目が得意
  • 異なる分野を関連づけて考えることが好き
  • 自分でテーマを設定して調べることが好き
  • エッセイやプレゼンテーションにも抵抗がない
  • 複数の課題や締切を自分で管理できる
  • 16歳の段階では専門分野を狭く絞りたくない

 

IBDPでは幅広い科目を学びながら、TOKやEEを通して「何を知っているか」だけではなく、「どう考え、どう調べ、自分の考えをどう表現するか」も問われます。知的好奇心が幅広く、自律的に学ぶことを楽しめる生徒には魅力的なカリキュラムです。

 

IBDPが向いていない可能性がある生徒

IBDPは、「成績の良い生徒なら誰にでも向いている」というカリキュラムではありません。例えば特定の1〜2科目では非常に高い能力を発揮する一方、苦手科目との差が大きい生徒の場合、6科目を幅広く履修するIBDPでは、その強みを最大限に生かしにくい場合があります。また、6科目に加えてTOK、EE、CAS、IAなどを並行して進めるため、締切管理や長期的な計画を立てることが非常に苦手な生徒には大きな負担になる可能性があります。IBDPの「幅広さ」は大きな長所ですが、すべての生徒にとって長所になるわけではありません。

 


Year 9〜11の学校選びで、シックスフォームでのプログラムまで考える

 

ここまでAレベルとIBDPを比較してきましたが、なぜYear 12になる前からこの違いを知っておく必要があるのでしょうか。AレベルやIBDPを実際に履修するのはYear 12からですが、その選択をYear 11の終わりまで先送りするのではなく、Year 9〜11の留学先を探す段階からシックスフォームのカリキュラムを見ておくことをおすすめします。

 

例えばIBDPに興味があるご家庭が、シックスフォームではAレベルしか提供していない学校へYear 9から入学した場合、IBDPを選ぶためにはYear 11終了時に学校を移る必要があります。逆も同じです。転校は子どもにとって大きなストレスとなります。ましてや、友だちも増え、学校生活に馴染んでいれば、転校のハードルはさらに高くなるでしょう。一歩先を見ての学校選びが大切です。

 


BBSFJ October 2026参加校|Aレベル・IBDP比較

 

2026年10月25日(日曜)に東京で開催されるBritish Boarding Schools Fair(BBSFJ)には、Aレベルを提供する学校、IBDPを提供する学校、そして両方から選択できる学校が来日します。学校選びの際には、現在入学を検討している学年だけでなく、ぜひシックスフォームのカリキュラムにも注目してください。

 

BBSFJ October 2026 参加校 Aレベル IBDP
Ardingly College|アーディングライ・カレッジ
Blundell’s School|ブランデルズ・スクール
Brighton College|ブライトン・カレッジ
Bromsgrove School|ブロムスグローブ・スクール
Charterhouse School|チャーターハウス・スクール
Cheltenham College|チェルトナム・カレッジ
Cheltenham Ladies’ College|チェルトナム・レディス・カレッジ
Clifton College|クリフトン・カレッジ
Cranleigh School|クランリー・スクール
Culford School|カルフォード・スクール
Downe House School|ダウン・ハウス・スクール
Malvern College|マルバーン・カレッジ
Millfield School|ミルフィールド・スクール
Repton School|レプトン・スクール
Sevenoaks School|セブノークス・スクール
Shrewsbury School|シュルーズベリー・スクール
St Swithun’s School|セント・スウィザンズ・スクール
The King’s School, Canterbury|キングス・カンタベリー

※2026年8月時点の各校公表情報等をもとに作成。カリキュラムや開講科目は変更される場合があります。出願時には各校の最新情報をご確認ください。

 

この一覧を見ると、英国のボーディングスクールと一口に言っても、シックスフォームのカリキュラムは一様ではないことが分かります。Aレベルを中心とする学校もあれば、AレベルとIBDPの両方を提供する学校もあります。

 

非常に特徴的なのがセブノークス・スクールです。同校ではシックスフォームの生徒全員がIBDPを履修します。

 

▶︎セブノークス・スクールを詳しく知りたい方はこちら

 

 

一方、AレベルとIBDPの両方を提供する学校では、生徒の学力や得意科目、学習スタイル、大学進学の方向性などを考えながら、自分に合ったカリキュラムを選ぶことができます。Year 9やYear 10から学校を探す場合にも、この学校にはシックスフォームでどんな選択肢があるのか」という視点を持っておくことが大切です。

 


 

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