1997年、4人の留学生から始まった物語
ピッパズ・ガーディアンズの歴史は、1997年、イギリスのボーディングスクール、チェルトナム・カレッジの入試審査部に勤めていたピッパ・ヒューズの小さな一歩から始まりました。ピッパは、現在ピッパズ・ガーディアンズの代表を務めるベン・ヒューズの母親です。
当時、英国のボーディングスクールに留学する子どもたちは増えつつありましたが、学校を離れて過ごす週末や休暇中の生活を、誰がどのように支えるのかという課題は、まだ十分に認識されていませんでした。
ピッパがその必要性に気づいたのは、以前勤めていたプレップスクールで出会ったタイ人留学生の家族との交流がきっかけでした。シニアスクールに進学した後も、保護者たちは彼女を頼り、休暇中の滞在先や日常生活の手配についてピッパに相談を寄せていました。さらに新たな勤務先であるチェルトナム・カレッジでも、海外から来た生徒とその家族が、学校生活以外のさまざまな場面で支援を必要としていることを実感したのです。
「もし自分の息子たちを遠い異国の学校へ送り出すとしたら、自分はどのような人に、どのように見守ってもらいたいだろうか」
ピッパが思い描いたのは、単に保護者の代わりに必要な手続きを事務的にこなすサービスではありませんでした。子どもたちひとりひとりを自分の家族のように迎え入れ、安心して英国での学校生活を送れるよう支える、心の通じ合うサービス。それこそが、彼女の考えるガーディアンシップの原点でした。
こうして、4人のタイ人留学生のお世話から、ピッパズ・ガーディアンズの歩みが始まったのです。
家族と友人に支えられ、少しずつ広がったサービス
創業当時、ガーディアンシップは現在のように広く認知されたサービスではなく、業界としての仕組みや制度もまだ整っていませんでした。
ピッパは、エグジアート(週末の外泊休暇)やハーフタームには自宅に留学生を迎え入れ、ときには友人たちにも協力を求めました。夫は早朝や深夜の空港送迎を引き受け、経理も担当。まさに家族ぐるみで、留学生たちを支えていたのです。
その根底にあったのは、ビジネスとしての発想よりも、親としての思いでした。
その後の数年間で、ピッパは同じように留学生をサポートしている3人と知り合いました。彼女たちは定期的に集まり、お互いにアイデアを交換し、助け合い、全員が手探りで、留学生をサポートする方法を模索していました。当時は互いが競争相手という意識などまったくありません。何よりも、遠く離れた国に暮らす保護者に代わって、子どもたちの安全を守ること。困ったときに頼れる存在であること。そして子どもたちがイギリスで安心して、幸せに過ごせることを最優先に考えていたのです。
しかし、英国に教育を求めてやって来る留学生の数が増えるにつれ、状況は急速に変わっていきました。ボーディングスクールやイギリス政府も、海外から来た子どもたちの学校外でのケアが課題であることに気づき始め、行政が主導して、業界全体でサービスの専門性や運営基準が整えられていったのです。ガーディアンシップを提供する会社が次々と設立され、ピッパズ・ガーディアンズも含め、より専門的な組織として運営していくことが求められるようになりました。やがて、これらの会社はAEGISという団体のもとにまとまり、登録や監査、保険への加入などが必要になりました。
創業者の思いを、次の世代へ
2013年、ピッパズ・ガーディアンズに大きな転機が訪れます。
増え続ける留学生とその家族からの依頼に、創業当初と同じ方法だけで応えることが難しくなっていたのです。
そこで経営を引き継いだのが、息子のベン・ヒューズでした。オーストラリアから英国へ戻ったベンは、母親が築いてきた家庭的なサービスの精神を大切にしながら、組織としての体制を整え、事業を発展させていきました。
現在はベンと、その妻、ルイーズを中心に、専門知識と経験を持つチームが、約1,200名の留学生とその家族を支えています。
小さな家族経営から始まったピッパズ・ガーディアンズは、イギリスのボーディングスクールで学ぶ留学生のためのガーディアンシップを専門とする、全英で最も大きな組織へと成長しました。
「家庭的なサービスを、すべての留学生に」
1997年、4人の留学生から始まったピッパズ・ガーディアンズ。その中心にあるのは、今も変わらず、子どもたちの安全、安心、幸せ、そして心身の健やかな成長を何よりも大切にするという思いです。
私たちはこれからも、一人ひとりの子どもとその家族に寄り添い、英国でのかけがえのない学校生活を支え続けていきます。
















