イギリスの教育カリキュラム、Aレベルとは?
2025.01.25
基本情報イギリスでは日本の高校にあたるプログラムを「Sixth Form(シックス・フォーム)」と呼んでいます。これは16歳から18歳の生徒が在籍する大学入学のための資格を得るために学ぶ、中等教育最後の2年間となり、この期間に、イギリスの高校生のほとんどが「A Level(Aレベル)」のカリキュラムで学びます。イギリスでは国際バカロレアのディプロマプログラム(IBDP)を導入する学校も増えていますが、以前としてAレベルカリキュラムのほうが一般的です。
ラグビー・スクール、マルバーン・カレッジ、チャーターハウス・スクール、チェルトナム・レディス・カレッジなど、いくつかの学校ではAレベルと国際バカロレアのディプロマプログラムの両方から選べる仕組みになっており、生徒はその時点で自分により相応しい学校を選ぶことができます。
ここではAレベルとは何か、その基本的な情報と科目選びのポイントをお伝えします。
Aレベルとは何ですか?
Aレベル(Advanced Level qualifications)は、GCSEの後に受けるイギリスの国家資格です。12年生と13年生の2年間(生徒の年齢が16歳以上)に学習し、イギリスだけでなく、アメリカを含む世界中の大学などの高等教育機関への入学資格として認められています。ほとんどの高等教育機関では、Aレベルで最低3科目の履修を義務付けています。最大の特徴は必修科目(コア・サブジェクト)の設定がなく、受験大学の条件を考慮しながら、好きな科目を自由に選ぶことができる点です。
GCSEでどの程度の成績を収めればAレベルの勉強ができるのでしょうか?
これは学校によって異なりますが、原則としてAレベルで履修予定の科目で少なくともグレード6と7が3科目、Aレベルで履修予定の科目でグレード7、8、9に達していることを要求しています。
また留学生はGCSEを取得しなくても、Aレベルのカリキュラムから入学することが認められる場合があります。その際には、ケンブリッジ英検のB2 upperからC1レベルの高い英語力が求められることが多くなります。(入学の基準は各学校ごとに異なりますので注意が必要です)
いつ頃、履修科目を選択するのでしょうか?
- 正確な時期は学校によって異なりますが、11年生の3月までに選択科目を提出します、ただし、カリキュラム開始後でも変更ができる場合があります。
- 2年間の学習の開始時に4科目のAレベルを選択し、1年目の終了後に1科目を落として3科目のAレベルに進むというオプションを生徒に提示する学校もあります。
- オックスフォード大学を含め、ほとんどの英国の大学では3科目のみを考慮します。
どのような科目が履修できるのでしょうか?
選択できる科目はおよそ80種類あります。生徒は、最も興味のある分野や将来のキャリアに役立つと感じる分野を選びます。Aレベルで経済学、応用数学、心理学などの科目を履修すると、学位選択が広がると言われています。
何を履修すべきか、どうやって判断すればよいのでしょうか?
どの科目を選択し、どのような組み合わせにすれば希望する大学のコースに入学できるのかを知るのは難しいことです。 将来就きたい職業や希望する大学が決まっている生徒もいるかもしれませんが、そうでない生徒は、より選択肢を広げておく必要があります。
例えば医学部を受験する場合には、数学、上級数学、化学や生物学を学ぶ必要がありますし、大学で金融を選択したいのであれば、数学や経済学を選んでおくと大学に入学してから役に立つでしょう。
しかし、科目選択に関しては、常に希望する大学に確認することが必要です。これらの科目は変更される場合もあるからです。
Aレベルの評価方法は?
筆記試験は2年目の終わり、13年生の春に実施されます。その結果が返ってくるのは8月下旬、評価はA*からEまでの段階となります。この結果で、大学からのオファーが確定します。