イギリスの教育カリキュラム、GCSEとは?
2025.01.24
基本情報イギリスのほとんどの中学校では、公立私立を問わず、最終学年の5月〜6月にかけて「GCSE」を受験します。GCSEはイギリスのナショナルカリキュラムで、義務教育を修了する前の検定試験となる非常に重要な試験ですが、日本では広く知られていません。
このGCSEについて、皆さまから多く寄せられる質問にお答えする形で、詳しく説明をします。
GCSEとは何ですか?
1986年に導入されたGCSE(General Certificate of Secondary Education)は、英国で最も一般的な義務教育修了時の資格であり、毎年約500万人が受験しています。
GCSEは、9年生から11年生までの2年間にわたって学習するプログラムです。英語、数学、サイエンスの必修科目に選択科目を加えた10科目前後で構成されます。筆記試験は主にエッセイ形式、一部音楽や DT のような科目ではコースワークとして課題を提出。イングランドの学校の場合、結果発表は8月後半。1 から 9で評価されます。
いつ科目を選択するのですか?
Year 9の間にGCSEの科目選択を決定します。
GCSEでは、すべての生徒が受講しなければならないコア科目は以下の通りです。
- 英語
- 数学
- サイエンス (生物学、化学、物理学)
選択科目は自由に選べますか?
5科目から6科目を選択します。 選択科目は学校によって異なりますが、一般的なものは下記の通りです。それぞれカテゴリーに分かれており、人文科学から1科目、現代外国語から1科目、芸術科目から1科目、というようにバランスよく選ぶ必要があります。
- 人文科学 (歴史、地学、古代文明学、ビジネス、経済学、宗教学)
- 現代外国語 (フランス語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語、中国語、日本語、アラビア語、ロシア語)
- 古典 (ラテン語、ギリシャ語)
- 芸術 ( 美術、デザイン・テクノロジー、音楽、ダンス、演劇、メディア)
- コンピューターサイエンス
- 体育
など。詳しくはイギリスの教育省のサイトをご確認ください。
芸術関係の科目は、試験のほかにコースワークと呼ばれる課題作品の提出が求められます
また、人文科学のカテゴリーから歴史と地学を両方学びたい、フランス語と日本語の両方選択したい、というような希望があれば学校に相談します。
どの学校にも生徒の興味、能力、学習スタイル、将来の目標に応じて、生徒が自分に合った選択ができるようサポートするプロセスがあるので心配は不要です。
科目を選択する上で考慮すべきことは何でしょうか?
GCSE科目を選択する際に考慮すべき点は以下の通りです。
- 好きな科目を選ぶ
- 得意な科目を選ぶ
- 自分自身で決めること、友人や親の意見に左右されない
- コースについてしっかりと考える
- 長期的な視点を持つ→将来の目標に役立つものは何か
- 評価方法について調べる→試験やコースワーク(課題提出)における長所短所を考慮する
- GCSEでしか履修できない新しい科目については、すでにそのコースを受講している生徒や担当教師に相談する
特に5番に関して。生徒は選択科目を自由に選択できますが、この段階で将来を見据えた科目を学習することで、Aレベルや国際バカロレア・ディプロマ・プログラム(IBDP)、大学での専攻科目やキャリアの選択肢を決定する際に、より幅広い選択肢を得ることができます。その科目選びについては、学校が最も知識と経験を持っているので担当の先生に相談するのがベストです。
3月15日(土)にピッパズ・ガーディアンズが主催するブリティッシュ・ボーディングスクール・フェアでは、GCSEやAレベルといったイギリスの教育カリキュラムについてのセミナーも開催します。セミナー講師は、参加校から来る先生方を予定しています。
入場料は無料となっていますので、ぜひ足をお運びください。(参加には事前に入場登録が必要となります。公式サイトからお申し込みください)